IEICE Trans. Fundamentals に掲載された論文の簡単な紹介です。
Decomposition of two dimensional cyclic-group-ring-valued Hopfield networks
巡回群を使った Hopfield Network を Cyclic-group-ring-valued Hopfield associative memory of order three で提案しています。これを CGRVHN と呼ぶことにします。次の論文で既存の Hopfield モデルを合成する手法を提案しました。
M. Kobayashi: “Synthesis of complex- and hyperbolic-valued Hopfield neural networks”, Neurocomputing, Vol.423, pp.80-88 (2021)
この論文では複素モデルと双曲モデルを合成しています。実はこの2つが同じモデルの別表現だったことが分かりました。これにより CGRVHN に対して2つのアプローチを取ることが可能となりました。学習ではこれまで2つの計算をして合成する必要がありましたが、1つで済みます。また、CGRVHN の分析をするときに良く知られたモデルに分解して調べることもできるようになりました。
巡回群 \(G=\{1,\sigma,\sigma^2\}, \sigma^3=1\) を導入します。 結合荷重 \( w=u+v\sigma+t\sigma^2 \) とニューロンの出力 \( x+y\sigma+z\sigma \) の積を行列で表すと
\( \left( \begin{array}{ccc} u & t & v \\ v & u & t \\ t & v & u \end{array} \right)
\left( \begin{array}{c} x \\ y \\ z \end{array} \right) \)
となります。ここでニューロンの出力は \(z=0\) となるように活性化関数を定義していますので、第3成分を無視して
\( \left( \begin{array}{cc} u & t \\ v & u \end{array} \right)
\left( \begin{array}{c} x \\ y \end{array} \right) \)
ここで
\( \left( \begin{array}{cc} u & t \\ v & u \end{array} \right)
=\dfrac{1}{2}\left\{ \left( \begin{array}{cc} u+c & -(v-t) \\ v-t & u+c \end{array} \right)
+ \left( \begin{array}{cc} u-c & v+t \\ v+t & u-c \end{array} \right) \right\} \)
と分解できます。ここで \(c\) は任意の実数です。右辺第1項が複素数、第2項が双曲代数に対応する分解が得られます。\(c\) の存在により、分解は一意ではありません。
ヘブ則も分解でき、この時は \(c=0\) になります。プロジェクションルールに関しては何も調べていませんが、分解されないと予想しています。予想が正しければ、実例を示すだけで確認できると思います。